来場した常連客に料理を手渡す園田美佐子さん＝２月、岐阜市曽我屋、超宗寺
岐阜県美濃市俵町のイタリア料理店「ＤＯＮＩ ＤＯＮＩ（ドーニドーニ）」が、キッチンカーを使った販売に取り組んでいる。新型コロナウイルスの影響で来店客が減る中、集客力のある場所に移動して出店。店舗で客を呼び込む「待ち」の営業から「攻め」の販売に切り替え、活路を探る。先月からは、店舗は完全予約とし、キッチンカーの営業日を増やしている。オーナーシェフ園田美佐子さん（４８）は「コロナ禍で外食を控える人が増えている。屋外で気分転換しながら、店の味を楽しんでもらえる機会を増やしたい」と意気込む。
園田さんは１９年前に岐阜市でイタリア料理店を開業。２０１７年に家族で美濃市に移住し、うだつの上がる町並みの一角に住宅を兼ねた新たな店を構えた。地元や近郊の農家から仕入れた無農薬栽培の野菜を使い、素材の味を生かした料理を提供。店は夫の照久さんと二人三脚で切り盛りし、地元の人気店として定着した。
キッチンカーは開業当時からの夢で、新型コロナによる営業自粛が背中を押した。美濃商工会議所を通じて小規模事業者持続化補助金を知り、キッチンカーの導入を決断。１トントラックを購入して改装し、昨年１２月に完成した。「キッチンカーなら自分からお客さんに会いに行くことができる」と狙いを語る。
２月に岐阜市曽我屋の超宗寺の敷地に出店した日には、同市時代からの常連客や、ＳＮＳ（会員制交流サイト）で出店を知った客が駆け付け、地鶏のボロネーゼやイタリア風おでんなど温かい料理を屋外で味わった。地元農家の無農薬野菜も合わせて販売。「生産者の存在があって営業が続けることができる。生産者とお客さんをつなぐ役割も果たしたい」と話す。
４月からは、週２回ほどのキッチンカー出店に切り替える方針。イベントとの連携も検討している。「ＳＮＳなどを通じて、多くの人とつながり、コラボレーションしたい。飲食店の新たな可能性を模索したい」と力を込める。
地元で人気のイタリアン「待ち」から「攻め」へ キッチンカーでの販売に活路 - 岐阜新聞
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