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Friday, August 27, 2021

藤原竜也、映画『鳩の撃退法』富山で1ヶ月半“単身赴任”撮影 子煩悩な一面も - ORICON NEWS

 「この男が書いた小説(ルビ:ウソ)は、現実(ルビ:ホント)になる」というキャッチコピーがついた映画『鳩の撃退法』(8月27日公開)で主演を務める俳優の藤原竜也。「これ現実の世界なのか、小説の中のシーンなのか、どっちだっけ?と、演じている僕らも混乱することもあったくらい。ノンストップでたたみかけていく。これは面白いと思う」と自信をのぞかせる。

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 原作は「月の満ち欠け」で第157回直木賞を受賞した作家・佐藤正午の同名小説。一家失踪事件、大量のニセ札、裏社会のドン…物語の謎を解くキーワードは「鳩」。彼が書いた小説は、現実なのか、嘘なのか。「その結末を決めるのは、あなた――」と、観る者に投げかけている。

 「サスペンス、謎解き、エンターテインメント、いろいろありますけど、僕は瞬間的にピーター・パンの童話の世界に引き込まれるような感覚があって、色で言ったら、オレンジ色(笑)。思い出すと、なんだか楽しいような切ないような子どもの頃の思い出が脳裏に浮かぶような。お母さんが買い物に出かけて、はじめのうちは好きなことをして楽しかったんだけど、だんだん一人でいることに心細くなってしまったこととか、そんな他愛もないことを思い出して、僕は観終わった後にどこか心あたたまるような穏やかな気持ちになりました」。

 ちなみに、「ピーター・パンとウェンディ」は劇中にも登場する。藤原が演じるかつては直木賞も受賞した天才作家・津田伸一が、古本屋で買った本が「ピーター・パンとウェンディ」だった。さらに、行きつけにしているコーヒーショップで、幸地秀吉(風間俊介)と出会い、「今度会ったらピーター・パンの本を貸そう」と約束して別れるのだが、この偶然の出会いが、思いがけない出来事へと発展していく。

 物語の主な舞台は、富山の小さな街。藤原は約1ヶ月半、富山に単身赴任状態で撮影に臨んだ。すきあらば幼い我が子の顔を見に東京の自宅に帰っていたそうで、「新幹線の最終に乗れば帰れたので、8時半くらいなると『きょうは帰れるかな?』とソワソワしちゃっていました(笑)。それ以外のことは何も考えることがないくらい、この作品に集中することができました」と、振り返る。

 「タカハタ秀太監督とは初めてでしたし、初共演者の方も多く、僕としては非常に充実した1ヶ月半でした。リリー・フランキーさん、ミッキー・カーチスさん、お会いしたかった人たちばかりで。僕は現場に紛れ込んだファンみたいな感じでした(笑)。一方、よく知っている岩松了さんがせりふにつまってNGを出した時、『台本見ますか?』と言ったら、『いいの、いいの』と拒んで。何歳(いくつ)になってもこんなにもがいて芝居をしている岩松さんってすてきだな、と演劇人として涙が出るくらい感動したこともあって。今回、出ている役者は、みんな、いいよね。風間くんもさっぱりとしたいい芝居をするし、土屋太鳳ちゃんも、西野七瀬ちゃんもよかった。でも、最後は富山での撮影期間が1週間もなかった豊川悦司さんが全部持っていくというね。観ていただければわかると思うけど、限られた出番の中で観客の心をさらっていくパワー。僕もそうなりたいな、と思いました」。

 藤原にインタビューした率直な感想は、さすが演劇で長ぜりふをとうとうと述べる弁舌を磨いてきただけあって、比較的早口で一気にしゃべっているのに、聞き取りやすい。そして、『鳩の撃退法』の津田(藤原)は輪をかけて早口でまくし立てるように話すキャラクターになっている。

 「けっこうなせりふ量をしゃべる時に句読点を入れず、最初から最後まで一気にしゃべったらどんなリズムが生まれるのか、自分で自分を試してみたくなって。そういう新しい挑戦が自由にやらせてもらえた現場でした。監督に感謝です。観終わった後、間違ったアプローチではなかったなと思いました」。

 撮影自体は、2020年の3月上旬までに終了し、ギリギリ新型コロナウイルスの影響を受けずに済んだ。「公開されるだけでうれしいです。これからも、自分自身が感染しないように、自分から周りの人へ感染させないように対策して、生活していくしかないですよね」。

 むやみやたらに映画館に観に来てとは言いづらいご時世だが、「チラシとかポスターって大事なんじゃないですかね。最近、観た映画の中で『三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実〜』のチラシに載っていた三島さんの写真を見ただけで、僕は『観たい』と思いましたから。『鳩の撃退法』は…、どうなんでしょう(笑)。『観たい』と思っていただいた方はぜひ観てください」と、呼びかけていた。

ヘアメイク:赤塚修二(メーキャップルーム)/スタイリスト:小林新 (UM)

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