お祭りを食で演出するキッチンカー。十一日に海津市で開かれた「2022海津夏まつり」には十三台が並んだ。いずれも同じ組織に所属して、コロナ禍の災害時に避難所などで炊き出しをする予行を兼ねて出店した。名付けて「中部フードトラックレスキュー」。発起人の水谷浩さん(66)=海津市=は「キッチンカーが集合したことに意義がある」と語る。
唐揚げやステーキ、ハンバーガー。それぞれのキッチンカーの看板メニューを来場者が楽しそうに品定めする様子に、水谷さんは「私たちのキッチンカーは一つのチーム」と目を細めた。
水谷さんが率いるキッチンカー団体「木曽三川ミーツプロジェクト」は昨年六月、海津市と災害時に避難所などで炊き出しをする協定を結んでいる。幸い出動する機会はまだないものの、長引くコロナ禍で、キッチンカー自体が出店できる催しが減った。お祭りはキッチンカーとして収入の機会でもある。営業を続けていなければ、いざというときの出動はできない。
「車自体が店」だから、コロナ禍に対応しやすいのもキッチンカーの特徴。お祭りは、いざというときの出動の予行演習になる。水谷さんは「キッチンカーは災害支援移動販売車」と位置付けた。「誰が聞いても分かるように」と、レスキューと冠したステッカーを作製。水谷さんの考えに賛同したキッチンカーは東海三県の二十七台。この日のお祭りに出店した車に、会場でステッカーを配った。
加盟の範囲が広ければ、同時に被災する可能性は減り、いざというときの備えになる。水谷さんは「それぞれが地域でネットワークを広げてほしい。防災イベントなど、いろいろな催しにキッチンカーで参加したい。これは新しい形の地域貢献」と話す。
(藤野治英)
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