長引く新型コロナウイルスの影響で、経営に苦しむ飲食業界。経営者の中には、店でのテイクアウトだけでなく、調理設備を備えた移動販売車「キッチンカー」での営業に活路を見いだす動きが広がっている。行政もコロナ対策や地域活性化策などの一環として支援。補助金を出したり、駐車スペースを提供したりして後押ししている。(桑田睦子)
ランチタイムが近づくとカラフルなペイントの車両が集まり、ラーメンやボルガライスを買い求める客たちでにぎわった。
14~18日、越前市役所前広場で開催されたキッチンカーによる販売イベント。市民や市職員らが芝生が広がる屋外で昼食を楽しんだ。友人と訪れた越前町の主婦(64)は「コロナ禍で飲食店に行くのを遠慮していたが、屋外で食べるのは楽しい」と笑顔を見せた。
企画したのは市の第3セクター「まちづくり武生」で、市内や近隣市を拠点とする計8台が出店した。
ラーメンを販売した和食店「松月」(敦賀市)は、コロナ禍で宴会や法事などの需要が減り、3月からキッチンカーでの営業を始めたという。木村英二社長(51)は「店の宣伝にもなってありがたい。平日に出店できる場所が増えてほしい」と願う。
「おむすびや」(福井市)の女性オーナーも「屋外の開放的な空間をお客さんも求めているのかもしれない」と話した。
自治体も、コロナ禍で苦しむ飲食業者の支援策などの一環として取り組み始めている。
勝山市は、キッチンカー導入に最大500万円までの補助制度を実施。申込数は11件に上り、市は、キッチンカーを集めたイベントの開催や、集客が見込める出店場所も検討している。市商工観光・ふるさと創生課は「出店しやすい環境作りを進めたい」としている。
敦賀市はキッチンカーの購入や車両の改造などの設備投資を行う中小企業を対象に、100万円を上限に補助する。
坂井市は、ふるさと納税で、キッチンカーの導入補助の原資に充てる目標を設定し、寄付を募っている。市企画政策課は「起業を後押しし、コロナ後のにぎわい創出につなげたい」としている。
約30店が参加する「県キッチンカー協会」も、駅前などでの平日のランチ営業や予約、配達の受け付けを推進している。
同協会の佐々木
キッチンカー 苦境に活路 - 読売新聞
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