新型コロナウイルスによる影響が続くなか、埼玉県狭山市では、「密」を避けてできたての料理を楽しめるキッチンカーを活用したにぎわいづくりが進められています。
狭山市では、地元の人たちが中心になって、去年３月から入間川の土手沿いの敷地で「さやまキッチンカーマルシェ」というイベントを毎月１回、行っています。
桜が満開となった今月２日は、カレーや豚肉の料理などを提供する５台のキッチンカーが並び、昼どきになると買い求める人の列ができていました。
訪れた人たちは「外に出るきっかけになるので、とても楽しみにしています」とか、「子どもも喜ぶので、ぜひ続けてもらいたい」などと話していました。
このイベントに出店している神邉禎之さんは市内でおよそ７年間、会席料理の店を営んできましたが、新型コロナの影響で売り上げが激減し、去年２月に店を閉めました。
その後、どうするか悩んでいた時、知り合いの勧めもあり、キッチンカーに舞台を移して自慢の料理の腕をふるうようになりました。
しょうゆやバター、ハーブなどで作った特製のたれをかけたステーキ丼は評判を呼び、多い日は一日１２０食を売り上げる人気商品となっています。
神邉さんはキッチンカーでは、直接、客とふれ合う機会が増え、大きなやりがいを感じているといいます。
神邉さんは「お客さんの表情も明るいし元気をもらっています。キッチンカーをやってよかったなと思っています。出店場所を広げて、多くの人に食べてもらい、狭山市にも何かしら貢献できればと思っています」と話していました。
イベントを主催する、地元の人たちでつくるグループ「さやまキッチンカー協会」によりますと、協会に登録されたキッチンカーの数は去年６月時点は５台だけでしたが、現在は４２台まで増えているということです。
協会では、コロナ禍が続くなか、密を避けてできたての料理を楽しめることが人気の理由だとみていて、地域の病院や自動車教習所など出店する場所も広がりつつあるということです。
「さやまキッチンカー協会」の野口功祐代表は「子どもから年配の方まで多くの人が来てくれてうれしいです。『キッチンカーのまち、狭山』と言ってもらえるよう頑張っていきたいです」と話していました。
キッチンカーで「密」を避け 地域ににぎわいを 埼玉 狭山｜NHK 首都圏のニュース - nhk.or.jp
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