
リネアタラーラ(東京・世田谷)は、富裕層をターゲットとする建築やインテリア業界内では有名な高級キッチンメーカーだ。キッチンに特化した自社工場を持ち、フルオーダーメードで唯一無二のキッチンを製造する。富裕層に支持されている理由は、デザインと機能性を高い次元で実現しているからだ。
リネアタラーラは、富裕層向けのフルオーダーメードのキッチンメーカーだ。1991年に創業し、東京・世田谷にショールーム、静岡県藤枝市にキッチンに特化した自社工場を持つ。同社が目指すオーダーキッチンは、建物の空間やインテリアと調和するデザイン性と機能性を兼ね備えた唯一無二のキッチンだ。例えば、キッチンの天板や扉など、既製品の中からセレクトするのではなく、素材から選び、顧客の好みや生活様式に合わせてオリジナルでデザインする。同社は創業以来、「想いを形に」というコンセプトを掲げており、顧客とじっくり会話をしながら、富裕層を満足させる完成度の高いキッチンを丁寧に作り上げている。
メインの顧客は、40代から50代のファミリー層。キッチンの予算は土地代を除いて、建築費の5~8%が目安だという。リネアタラーラ 代表取締役の門田克巳氏は、「6000万円の家なら、300万円から400万円ほどキッチンに予算をかけると、空間とのバランスが良く、満足していただけるキッチンに仕上がる。予算の平均は、700万円から800万円ほど」と話す。
現在、同社には3人のプランナーが所属しており、1人のプランナーが年間で手掛けられる数は20件から25件ほどだという。「最初の打ち合わせから完成まで、平均すると7カ月くらいかかり、3人で60件から75件が上限。スピーディーに仕上げ、たくさん売っていこうという考えはない」(門田氏)。新規顧客の獲得は、長年にわたって付き合いのある設計事務所と、同社のキッチンを導入している顧客からの紹介が中心だ。「実績が次の実績につながり、数年にわたって客数に大きな変動はない。客単価は年々上がっているため、売り上げは毎年伸長している」(同)。
新型コロナウイルス感染症の流行は、追い風となった。自宅でホテルライクな生活を求める富裕層からのリフォームの依頼や、別荘の建設などが増加したからだ。「海外のコンドミニアムのようなキッチンにしたい」といったリクエストも多かったという。要望が増えたのは、鉄板付きのキッチンカウンターだ。出張シェフを招いて、自宅に居ながら本格的な鉄板焼きを楽しみたい。そんなニーズが高まったのだという。
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