◆老舗中華店の味復
ドドーンと分厚い角煮が4枚。ボリュームに圧倒される。一番人気の「とろとろ角煮ご飯」はこれで900円=写真(上)。「食材も包装材も値上げの中ですが、始めたばかりですので、しばらくはこの価格でがんばります」と店主の諸根雄(つーこんゆう)さん(62)=同(下)の(左)。「南国飯店DELI」は東急線自由が丘駅近くで長年愛された中華料理店「南国飯店」のキッチンカーだ。
1963年創業の店舗は惜しまれながらも昨年2月に閉店。「味を継ぎ、店を任せられる人がいないので、良いときにやめようと」と諸さん。味へのこだわりがあるからこその決断だった。
余力はあるので、65歳になる調理長と相談の上、同年5月から週末だけテイクアウト販売を始めた。平日のみのキッチンカーは同11月から。妻の麻実さん=同(右)=と切り盛りする。
店舗とは違う、移動販売ならではの手法を研究する日々。例えば角煮は、時間を置いて、タレのとろみがダマにならないよう、車内で提供直前にタレにくぐらすなど、工夫している。
見た目ほど脂も味も濃過ぎず、食べやすいのも手間暇かけた証し。皮なし豚バラ肉を生姜(しょうが)やネギを入れた鶏がらスープで煮て脂と臭みを落とし、中国醤油(しょうゆ)ベースのタレに入れて1時間以上蒸し、味を染み渡らせている。箸で簡単に切れるほどやわらかでトロトロだ。
店の常連客がどの出没先にも来てくれているとか。愛された味はまだまだ終わらない。 (さりあ)
出没先は、キッチンカーの拠点「SHOP STOP」中心。半蔵門、品川など。インスタグラムはnangokuhanten_jiyugaoka。土日は店舗(世田谷区奥沢5の40の12)で販売。(電)03・3722・3211
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<キッチンカー グルメ>南国飯店DELI(とろとろ角煮ご飯) - 東京新聞
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