キッチン・台所のリフォームを検討しているなら、まずは「設備の価格・費用相場」や「一般的な工期」について確認することが大切だ。また、キッチン・台所リフォームで注意するべきポイントや、失敗しない業者の選び方について解説する。
キッチン・台所リフォームの価格相場と工事期間
キッチン・台所リフォームの費用相場と工事期間は、以下の通り。
リフォーム内容 | 費用(目安) | 工期(目安) |
---|---|---|
システムキッチン I型 | 約40万円〜 | |
システムキッチン L型 | 約55万円〜 | |
システムキッチン ペニンシュラ型 | 約60万円〜 | |
システムキッチン アイランド型 | 約110万円〜 | |
従来型キッチンからシステムキッチンに交換(標準グレード) | 60万〜115万円程度 | 2〜3週間 |
壁付け→対面式/対面式→壁付けに変更 | 50万〜200万円程度 | 2週間〜1ヵ月 |
ガスコンロ→IHコンロに交換 | 15万〜30万円程度 | 1日〜1週間 |
キッチンリフォームの種類
キッチン・台所のリフォームでメインとなることが多いのが間取り・レイアウト変更だ。
作業性を高めるためには、シンク・コンロ・冷蔵庫の3点を結んだ三角形「ワークトライアングル」を正三角形に近づけるとよいとされている。ここでは、キッチンリフォームの種類について、レイアウト別に見ていこう。
I型キッチン
コンロ・シンク・調理台が一列に並んだタイプのキッチン。壁付け、対面どちらでも設置可能で、他のタイプよりコンパクトなのでスペースが限られたキッチンにも設置しやすい。ただし、冷蔵庫や食器棚も横に並べると動線が長くなりがちなので、作業性を重視する場合はレイアウトに工夫が必要となる。
Ⅱ(セパレート)型キッチン
シンクとコンロのキャビネットが並列になっているタイプ。片方のキャビネットを壁付けに、もう片方をアイランド型やペニンシュラ型として設置する。作業スペースを広く取ることができ、冷蔵庫の配置によって理想的なワークトライアングルを作りやすい。ただし、設置には他のタイプと比べて広いスペースが必要となる。
L字型キッチン
L字型キッチン(出典:PIXTA)
コンロとシンクが向き合うようにL字型に配置されたタイプ。壁付けにも対面式にもでき、ワークトライアングルの三角形をコンパクトに設計できるため、人気のあるタイプのひとつだ。
複数人での作業もしやすいが、I型に比べると広いスペースが必要となるため、設置した場合に十分な空間と動線が確保できるか確認しておこう。
U字型キッチン
U字型キッチン(出典:PIXTA)
キャビネットがコの字型に配置されたタイプ。理想的なワークトライアングルを描ける場合が多く、収納力や作業性の高さが魅力だ。
ただし、十分な奥行きを確保できないと動ける範囲が狭くなり、せっかくの動線の良さや作業性を活かすことができなくなってしまう。
設置を検討する場合は、間口や長さだけでなく「コの字」の縦棒に当たる奥行きが十分かどうか注意したい。
アイランド型キッチン
壁から離し、独立して設置されたタイプのキッチン。おしゃれな雰囲気で開放感もあることから、最近人気が上昇しているタイプだ。
複数人で作業がしやすく、キッチンの四方から行き来できるので、家族とコミュニケーションをとりながら料理したい人や、ホームパーティーが好きな人に向いている。独立している分周囲に通路の幅を取る必要があるので、設置できる間取りには制限があるので注意が必要だ。
ペニンシュラ型キッチン
ペニンシュラ型キッチン(出典:PIXTA)
半島のようにキッチンが突き出ているタイプのキッチン。アイランド型の片側を壁に付けた形となる。
アイランド型のように開放感がありながら、キッチンの片方が壁に接しているためアイランド型より省スペースでの設置が可能だ。
スタイリッシュで開放感のあるキッチンにしたいが、アイランド型を設置できるほどスペースに余裕がないという場合に有力な選択肢となるだろう。
キッチン工事費用を予算内に抑えるためのポイント
実際のキッチン・台所リフォーム費用は、キッチンの現状や広さ、施工箇所の多さによって大きく変わってくる。工事費用を予算内に抑えるポイントを説明していこう。
材料・設備のグレードを検討する
キッチンリフォームでは、システムキッチンの選択が費用に大きく影響する。非常に多くのバリエーションやオプションがあるので、予算に合ったグレードの商品を選びたい。
リフォームで重視するポイントを絞る
あれもこれもと製品・資材のグレードやデザインにこだわれば、費用はどんどん膨らんでしまう。「家族とコミュニケーションが取れるキッチンにしたい」「収納を充実させたい」など、重視するポイントを決めて費用のかけ方にメリハリをつけるようにしたい。
予備費も予算に入れておく
リフォームの見積もりはしっかりと現場調査を行った上で出されるが、実際に工事が始まってから問題が見つかり、追加工事が発生する場合も実は多い。最初に「これくらい」と考えた予算に1〜2割の予備費を含めた金額を最終的な予算としてみておけば、思わぬ予算オーバーに慌てずに済む。
キッチンリフォームで注意するポイント
キッチン・台所リフォームでは、実は想像以上に失敗例が聞かれる。どうしてもデザインや機能に目が行きがちになるが、見落としてはいけないポイントがいくつかある。ここでは、失敗しないシステムキッチンの選び方を解説する。
実物を見て選ぶ
システムキッチンの実物を見ずに選んだら、高さが合わない、キャビネットの扉が重いなどで思ったよりも使いづらく後悔するということがある。
キッチンの高さは「身長÷2+5cm」が最適とされているが、個人差もある。必ず実物を見て、キッチンに立つ人にとって作業がしやすいかどうかを確認しておきたい。
収納やキャビネットの扉もすべて開け、水栓を実際に操作するなど動かせる場所はすべて確認し、疑問点や懸念は実際のリフォーム前に解消しておこう。
動線と広さに注意する
特に、壁付け式のキッチンから対面式キッチンにリフォームした場合、思ったより狭くなってしまった、動線が悪くなったという事例がある。壁付け式キッチンは最も省スペースで設置できるため、同じスペースで対面式に変更すると狭くなってしまうことが実は多い。
導入するシステムキッチンのサイズや他の家具・家電の配置などをよく検討し、キッチンを使う人がストレスなく作業できる動線が確保できるよう、リフォーム会社とも相談しながら考えよう。
コンセントの数・位置を検討する
キッチンのコンセントは使いやすい場所に設置(出典:PIXTA)
キッチンリフォームの際、意外と見過ごされがちなのが電気関係だ。
オーブンレンジ、炊飯器、コーヒーメーカーなど、キッチンで使う家電は多い。リフォームを機に家電の配置も変えたら、コンセントまでコードが届かない、そもそもコンセントが足りないといった問題が起きてしまうことがある。
リフォームプランを考える際に家電の配置も合わせて考え、コンセントの位置が合わない、足りなくなりそうな場合は増設を検討しよう。使用する家電が多い場合は、コンセントが設置されているシステムキッチンを選ぶのもよいだろう。
システムキッチンリフォームの検討から施工完了までの流れ
納得のいくキッチン・台所リフォームを行うためには、リフォームの流れとやるべきことについて知っておくことが大切だ。リフォームの検討から施工完了までの流れを説明していく。
1)キッチンの「こうしたい」を具体化・情報収集
まずは、現在の住まいのキッチンにおいて不満を感じている点、こうしたいという希望を家族で出し合おう。中でも、主に料理をする家族の意見を重視する。その上で、それらの不安や希望に対して具体的にリフォームで何ができるのかを書籍や雑誌、Webなどで調べ、リフォーム内容を決めていく。
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2)予算を決める
次に、リフォームにかける予算を決めよう。希望するリフォーム内容の費用相場を把握し、手元の余裕資金で賄うか、ローンを使うかなど資金調達の方法を検討する。ローンを利用する場合は、金利や月々の返済額、返済期間を考慮し、無理のない計画を立てるようにしたい。
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3)リフォーム会社を探す
リフォーム内容と予算を決めたら、依頼するリフォーム会社を探そう。ここで重要なのは、複数のリフォーム会社に同じ内容で概算見積もりを依頼すること。1社1社調べて連絡する方法もあるが、リフォーム会社比較サイトなどでのWeb一括見積もりサービスなら手間がかからず便利だ。
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4)現場調査
概算見積もりを出してもらったリフォーム会社からさらに候補を2、3社に絞り、現場調査を依頼しよう。現場調査により、希望するリフォームが可能かどうかを判断してもらい、正確な見積もりを出してもらうことができる。希望するリフォームのイメージ写真や要望リスト、家の図面があるとよりスムーズに話が進められるだろう。
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5)詳細見積もりとプランの比較
現場調査後1〜2週間ほどで、それぞれの会社からリフォームプランと見積もりが届く。各社を比較して、工事を依頼する会社を決めよう。提示されたプランと費用だけでなく、担当者の対応なども考慮して検討したい。
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6)リフォーム会社と契約
依頼する会社を決め、リフォームプランが確定したら、契約を結ぶことになる。契約書にある契約内容や図面、費用の支払い方法と時期、アフターフォローについては特によく確認しよう。
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7)リフォーム工事開始
契約を結んだら、いよいよ工事のスタートだ。工事の際は騒音や振動、工事車両の出入りなどで近所に迷惑をかける可能性がある。挨拶回りはリフォーム会社が行ってくれる場合もあるが、きちんと自分自身で着工前に近所への挨拶をしておこう。
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8)施工完了・引き渡し
工事が完了すると、引き渡し前にリフォーム会社による竣工検査が行われる。この際に業者任せにせず、自分の目でもしっかり確認しよう。問題がなければ工事完了確認書にサインをして、引き渡しとなる。万一あとから不具合が見つかったときのために、保証やアフターフォローについても確認しておこう。
キッチンリフォーム会社と契約する前に必ず確認しておくべきこと
キッチン・台所リフォームは、よりよい住まいにするために時間もお金もかけて行うものだ。「こんなはずじゃなかった」「思った通りにならなかった」といった失敗を避けるために、キッチン・台所リフォームの前に確認すべき4つのポイントについて説明する。
イメージが明確で、家族で共有できているか
キッチンのリフォームは家族で検討(出典:PIXTA)
リフォームで解決したい問題と、完成イメージを明確にしておこう。また、それらを家族で共有できていることも重要だ。家族の1人や一部だけの考えが突っ走ると、せっかくのリフォームが家族の不満の元となりかねない。
イメージをはっきりさせるには、雑誌やWebなどで「こうしたい」と思うリフォーム例の写真をいろいろと集めてみるとよいだろう。機会が得られるなら、ショールーム等で実物を見たり、実際にリフォームしたキッチンを見せてもらったりするとよりイメージが掴みやすくなる。
将来のことまで考えたプランになっているか
住まいは築年数に応じてメンテナンスが必要となるため、住み続ける限りは1回のリフォームで終わることがない。住まいの長期的なメンテナンス計画や、子供の成長や親の介護など家族の変化も視野に入れた上で、今回のリフォームプランを考えよう。
予算を絞りすぎていないか
現在は、Webで簡単にリフォームの相場や概算見積もりを知ることができるが、予算はあまり絞りすぎないようにしよう。工事を始めてから問題が見つかり、追加費用が発生する場合もある。ギリギリの予算で工事を依頼すると、追加工事に対応しきれず予定通りの仕上がりにならなかったり、大幅な予算オーバーとなってしまったりする。予算には、ある程度余裕を持たせておくことが大切だ。
失敗しないキッチンリフォーム業者の選び方
キッチン・台所リフォームの成否のカギを握るのが、リフォーム会社選びだ。しかし、数多くの会社の中から、どのように選んだらよいのか迷う人も多いだろう。ここでは、リフォーム会社選びに失敗しないために押さえておきたいポイントを説明する。
施工実績
リフォーム会社には、それぞれ得意分野がある。まずは、自分たちが希望するリフォームと同じ分野での実績があるかどうかを確認しよう。施工実績は、リフォーム会社のWebサイトやパンフレット、リフォーム会社比較サイトなどで見ることが可能だ。
コミュニケーション力と提案力
現在の玄関ポーチの悩みや解決したいこと、要望を丁寧に汲み取るコミュニケーション力や、ヒアリングにもとづいて最適なプランを提示する提案力も重要だ。複数のリフォーム会社に現場調査・見積もり依頼をするとその違いがよく見えてくるだろう。担当者との相性や、話しやすさもチェックしておこう。
自宅からの近さ
リフォーム会社とは、打ち合わせから実際の工事、竣工後のアフターフォローまで含めれば、それなりに長い間お付き合いをすることになる。なるべく自宅に近いエリアにある会社の方が、すぐに対応してもらえる安心感があり、心強い。
口コミなどの評判
大手や施工実績が豊富な会社でも、施主からの評価が高いとは限らない。Googleやリフォーム会社比較サイトなどの口コミも参考にするとよいだろう。
保証とアフターサービス
リフォーム完了後に不具合が出た場合などは、保証やアフターサービスが重要となる。契約前にその点もよく確認したい。リフォーム瑕疵(かし)保険に加入している会社なら、工事中や工事完了後に第三者からの検査を受けることができ、工事完了後に欠陥が見つかった場合に無償で対応してもらうことができる。
リショップナビ(リフォーム一括見積もりサイト) | |
登録業者数 | 約1500社 |
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資料請求 | 無料 |
運営会社 | 株式会社じげん(資本金25億5200万円) |
住所 | 東京都港区 |
紹介会社数 | 最大5社 |
【おすすめポイント】 ・入力項目が少なく、操作が簡単 ・電話、WEBサイトどちらでも見積もり依頼が可能 ・リショップナビ担当者と直接詳細を相談できる ・契約したリフォーム会社が倒産した場合に備える、独自の保証が付いている |
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ホームプロ(リフォーム一括見積もりサイト) | |
登録業者数 | 約1200社 |
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資料請求 | 無料 |
運営会社 | 株式会社ホームプロ(リクルートの100%子会社・資本金3億円) |
住所 | 東京都港区 |
紹介会社数 | 最大8社 |
【ポイント】 ・商談の段階まで匿名でのやり取りが可能 ・独自の工事完成保証制度がある (着工前:支払い済みの手付金を返還、完成前:代替会社による工事の完成) ・リフォーム会社ごとの評価やクチコミを確認できる |
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ハウジングバザール(リフォーム一括見積もりサイト) | |
登録業者数 | 約300社 |
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資料請求 | 無料 |
運営会社 | G/REX JapaN株式会社(資本金100万円) |
住所 | 千葉県市原市 |
紹介会社数 | 2社〜 |
【おすすめポイント】 |
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キッチン・台所 リフォームの費用相場と目安の工期は? 注意すべきポイントやリフォーム業者の選び方も解説! - ダイヤモンド不動産研究所
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