神奈川県の逗子市商工会(三宅譲会長)は起業や販路拡大のお試し、新商品のテスト販売などを支援するため、キッチンカー(愛称・ドリームキッチン)の貸し出しの募集を始めた。事業支援の方法としてキッチンカーを活用するのは全国的にも数が少なく、県内では初めて。商工会は4月から貸し出しを始める予定で、「走るチャレンジショップとして、新たな事業展開に役立ててほしい」としている。
新型コロナウイルスの感染拡大前、商工会は、空き店舗などを貸し出す「チャレンジショップ」制度の導入やマルシェなどのイベントを開催し、独立開業などを支援してきた。ところが、コロナ流行後は夜の宴会が敬遠されるなど店舗営業が厳しい状況になり、イベント開催もできなくなった。そこで目を付けたのがキッチンカーだった。
初めて飲食業にチャレンジする人は「お試し」で料理などを販売することができるほか、すでに飲食店を展開する事業者は、消費者の新商品に対する反応を見たり、販路開拓のために別のエリアでの売れ行きを確かめたりすることもできる。客が固定化してしまいがちな店舗に比べ、オフィス街や公園など場所によって狙った客層に効果的に販売できるという利点もある。
キッチンカーは、普通トラックの荷台部分に200リットルの給排水設備や冷凍・冷蔵庫、オーブン、ガスコンロ、炊飯器、揚げ物用調理器具などを備えている。導入費は530万円で厚生労働省の助成金などを充てる。
貸し出しは商工会の会員や逗子市を拠点に事業展開を目指す人が対象。貸し出しの期間は1カ月単位で、最大3カ月。レンタル料はかからないが、ガソリンやプロパンガスの実費負担のほか、1日当たり2500円の光熱費などの負担金を支払う仕組み。初回の利用希望者は2月15日までに商工会に申請し、審査を受ける必要がある。
商工会の担当者は「今後は逗子葉山エリアのキッチンカー事業者と共同でキッチンカーのイベントを開くなどして、街のにぎわいや活性化にもつなげていきたい」と話している。【橋本利昭】
起業する方、キッチンカーお貸しします 夢の挑戦支援 神奈川・逗子 - 毎日新聞
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