中島健
災害発生時の避難所でも、被災者に温かい食事をとってもらえるように、宮崎県高原町は7日、キッチンカーの支援を受ける協定を、出店イベントなどを企画する「Sunみや企画」（宮崎市）と結んだ。2011年の新燃岳の噴火や、昨年の台風14号など被災を経験している町は、協定によって「しっかり備えることができる」としている。
「Sunみや企画」は、普段は宮崎市や小林市などでそれぞれ活動するキッチンカーの事業者グループを運営する。
協定では、町が災害に遭うか、災害の恐れが高まって避難所を開設した場合、キッチンカーの派遣を依頼。避難所で、おにぎりやうどん、丼ものなどを調理して提供してもらう。材料費や燃料費は町が負担する。
グループには10台のキッチンカーが参加。そのうち様々なメニューに対応できる3台を「レスキューキッチンカー」として登録しており、1台につき1日300食程度は提供できるという。
グループの川野正明さん（54）が、町内の親類から新燃岳の被害などを聞き、同社の長友勇一代表（53）に相談して町への支援を打診した。
7日に町役場で調印式があり、長友代表は「被災された方は精神的ダメージが大きい。食を通して笑顔と支えが提供できれば」とあいさつ。
高妻経信町長は「新燃岳の噴火の際、様々な支援をいただいて何とか避難生活が送れたが、温かい食事の提供はなかなかできなかった。東日本大震災の際にキッチンカーが活躍されたと聞いており、今後に備える意味でありがたい」と語った。
11年の新燃岳の噴火の際には、町が開設した複数の避難所に、最大600人超が避難した。（中島健）
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避難生活に温かい食事を キッチンカー派遣で協定 宮崎県高原町 [宮崎県]：朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル
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