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Sunday, December 24, 2023

華々しいピークから3年 ゴーストキッチン は生き残りのための転換を図る - DIGIDAY[日本版]

この記事は、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。

ゴーストキッチンが目覚ましいピークを迎えてからわずか3年後、業界最大手のうちいくつかは、このビジネスモデルを全面転換することになった。

キッチンユナイテッド(Kitchen United)は1億7500万ドル(約256億円)の資金を捻出したが、すべての店舗を売却または閉店し、独自ソフトウェアに専念する計画をしていると11月末に発表した。ソフトバンク(SoftBank)の支援を受けている新興企業リーフキッチンズ(Reef Kitchens)も、3月にゴーストキッチンを閉店しはじめ、今後はスタジアムや空港のようなスペースに自社テクノロジーのライセンス供与を行う。ワンダー(Wonder)は当初、フードデリバリーや、フードトラック、ゴーストキッチンを組み合わせたものをめざしていたが、モバイルゴーストキッチンのモデルをあきらめ、4月にはより安価な実店舗のコンセプトに切り替えた。

ゴーストキッチンは本質的に、ホワイトラベルの食品をピックアップやデリバリー用に作るための業務用キッチンだ。2021年、商業不動産会社のCBREは、2025年までにゴーストキッチンが米国の外食業界の21%を占めるようになると考えていた。パンデミックの初期の頃には、投資家がこの業界に殺到し、いくつかのゴーストキッチン企業は、人々が今後も食品配送アプリに依存し続けると考え、数百万ドルの資金供与を受けた。インフレや収益性の欠如などさまざまな課題が業界にのしかかったため、大手のゴーストキッチン企業は当初のビジネスモデルを変更し、成長計画を中断している。

収益性の確保が難しいビジネスモデル

クランチベース(Crunchbase)のデータによると、もっとも多くの資金を受けているゴーストキッチン企業は、2020年から2022年のあいだにベンチャー資金として30億ドル(約4380億円)以上を調達した。この分野は、ウーバー(Uber)の共同創設者トラビス・カラニック氏がクラウドキッチンズ(CloudKitchens)という独自のゴーストキッチンビジネスに取り組みはじめたとき、さらに勢いを得た。2021年の時点でクラウドキッチンズは8億5000万ドル(約1240億円)を調達し、評価額は150億ドル(約2兆1900億円)に達していた。

バブルがはじけた理由はいくつもあるが、顕著な問題点がひとつあった。いくつかのゴーストキッチン新興企業が収益性を実現するため苦戦していたことだ。「デジタルコマースは一般的に、それほど収益性が高くない。大きな理由は、配送と労働力をソーシングする必要があることだ」と、カンター(Kantar)のシニアソートリーダーを務めるバリー・トーマス氏は指摘する。この業界の最大手企業は、ソフトバンクなどのベンチャーキャピタル企業や、マイクロソフト(Microsoft)などの大企業からの資金に依存してきたと同氏は付け加えた。「この2年間は、インフレのためにもっとも大変な時期だった。この国の消費者は経済的にとても苦しんでいる」。

また、人々は消費に慎重になっただけでなく、レストランが再開するにつれて、再び店内で食事をする人々が増えてきた。たとえば、チポトレ(Chipotle)のように実績のあるチェーンでも第2四半期には配送が15.8%減少し、ドミノ(Domino)の配送の既存店売上高は3.5%減少した。また、資金も枯渇している。ピッチブック(PitchBook)がリリースしたデータによると、2022年の新興企業への資金調達は、2021年の最盛期から31%減少した。

サードパーティーへの依存

ゴーストキッチンのビジネスは、サードパーティーの配送アプリに大きく依存している。たとえばウーバーイーツは、プラットフォームのフィードに表示されるために、30%の手数料をレストランから徴収している。また、ウーバーイーツがプラットフォームを整理するため、店舗を持たない数千のブランドを3月に排除したことで、ゴーストキッチンの苦難はさらに増した。

現地の公衆衛生当局も、ゴーストキッチンで営業する事業者が食品安全プロトコルに従っているかどうかを確認するのに苦労してきた。ベーグルのフードトラックビジネスを運営するイースティボーイズ(Yeasty Boys)の共同所有者ブランドン・ドースキー氏は、同氏の企業は2015年から2017年までゴーストキッチンを利用してきたが、ビジネスが拡大したことでその使用を終了したという。イースティボーイズは、1日の特定の時間帯にフードトラックビジネス用の料理を作るためにゴーストキッチン企業をテナントとして使用していた。ゴーストキッチンを利用するレストランが増えたことで、二次汚染やコーシャ認証に関する潜在的な問題が生まれたと同氏は話した。

「ゴーストキッチンのテナント数が増えたことで、キッチン自体のトラフィックやキッチンにいる人数、スペースの使用効率に影響を与える可能性がある。ゴーストキッチンが混雑するにつれ、オペレーター自身に直接の影響が及ぶようになる」とドースキー氏は説明した。

パンデミック後の転向

業界の課題を乗り越えるため、いくつかのゴーストキッチン企業は技術的な専門知識を重視することを選択した。キッチンユナイテッド(Kitchen United)は11月、ソフトウェア企業に転向する行動の一環として、クローガー(Kroger)の店舗内のバーチャルフードコートを閉店した。CEOのアトゥル・スード氏は、LinkedInの投稿で、この閉店は「中核テクノロジーに注力する」ための取り組みの一環だったとした。

リーフ(Reef)は、「ベッセル」とも呼ばれるデリバリー専用のフードトレーラーを全米の駐車場で運営していた。しかし、最大のパートナーであるウェンディーズ(Wendy’s)は3月、ゴーストキッチン企業であるリーフとともに最大700のベッセルを出店する計画を縮小すると発表した。リーフのテクノロジーはリーフOS(Reef OS)と呼ばれ、スタジアムや空港のような場所で、さまざまなブランドの食事を配送や持ち帰り用に提供する。たとえば、ローリーダーラム国際空港(Raleigh-Durham International Airport)にあるデジタルフードホールでは、旅行者がチーズケーキファクトリー(The Cheesecake Factory)や800デグリーズピザ(800 Degrees Pizza)などのレストランの料理を注文できる。

カンターのトーマス氏は、「これは、非常に多くのケースにおいて、彼らの核となる能力だ。彼らは一般的にエンドツーエンドでデジタル化されており、垂直統合されている。それこそが企業全体の差別化となっている」と述べた。

一方で、ワンダーはほかの食品関連業界に慎重に足を踏み入れているようだ。ワンダーグループ(Wonder Group)は9月末、食事キットビジネスのブルーエプロン(Blue Apron)を1億300万ドル(約150億円)で買収した。

そのほかの企業は、事業を変更してはいないものの、事業の縮小を行った。ファイナンシャルタイムズ(The Financial Times)は9月、クラウドキッチンズが経費を減らすために、スタッフをレイオフし、倉庫を廃止して、新しい施設の購入を遅らせたと報じた。この報道は、クラウドキッチンズが売上を推進するのに十分な数のレストラン契約を獲得するのに苦労していることを示している。

いまだ転換の途中に

業界に課題があるにもかかわらず、ゴーストキッチンが近い将来に消え失せることはないだろうと、全米レストラン協会(National Restaurant Association)の調査およびナレッジグループ(Research and Knowledge Group)のシニアバイスプレジデントを務めるハドソン・リール氏は語った。

「利便性を追求する場面が増えた今、バーチャル・レストランのコンセプトは確かに今後も可能性がある。しかし、このモデルはいまだ転換の途中にあることも事実だ。便利なレストラン体験を求める人々にとってのことを考えると、バーチャルキッチンは、今後も特定のタイプのレストラン顧客のニーズを満たすことができるだろう」と、同氏は述べている。

[原文:Ghost kitchens are making a post-pandemic pivot to survive ]

Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Illustration by Ivy Liu

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