高嶋健
日田市や別府市、九重町などを拠点にキッチンカーを走らせる事業者たちが、業界の活性化や、被災地支援などの社会貢献活動に連携して取り組もうと「大分県西部地域キッチンカー連絡協議会」を設立した。県によると、県内のキッチンカー事業者が横のつながりを持つ団体を発足させるのは、初めてという。
から揚げ、カレー、お好み焼き、ジビエ料理、ローストビーフ丼、出張サウナ――。14日に日田市の県日田総合庁舎で開かれた同協議会の設立総会には、キッチンカーで様々な料理やサービスを提供する県内外の33事業者が名前を連ねた。会長には、発起人代表で日田市でクラフトコーラのキッチンカーを営む立花悠さん(36)が選出された。
立花さんは「もともとキッチンカーの集まりを作ろうと思っていたところに県から連携のお話を頂き、連絡協議会という形になった。個々よりも集団で動いた方が大きなことができるし、出店場所やイベントなどの情報交換でもいい連携が取れるのではと思う」と、設立の経緯を述べた。
キッチンカーは近年、災害時の避難所で温かい食事を機動的に提供できる手段としても注目を集める。能登半島地震の被災地でも、個人の事業者や外食産業などのキッチンカーが活動しており、企業と被災自治体との間を農水省が仲介した例もあるという。
同協議会も18日、玖珠町山浦地区の自治会が主催する防災避難訓練と連携し、旧春日小学校に避難してきた地区住民やスタッフなど約140人に、キッチンカー2台で食事を提供する避難所支援訓練を、県の委託事業として行う。
設立総会後の「勉強会」で講演した日田市のNPO法人「リエラ」の松永鎌矢代表理事(34)は、能登半島地震発生直後から被災地支援に入った経験から「道路が寸断された被災地では輸送に時間がかかり、避難所で提供される食べ物は賞味期限が長いものになりがち」と指摘。キッチンカーによる食事提供について「機動力があり、衛生面でも安心感があるキッチンカーのみなさんによる温かい食事が提供できれば、何よりの被災者支援になる。行政にとってもキッチンカーの団体とつながりを持つことは、避難所での炊き出しを自衛隊以外に依頼できるカードを持つことになる」と期待を込めた。
協議会は3月には、九重町の筋湯温泉の一角にキッチンカーを出店し、温泉街の夜のにぎわいづくりにキッチンカーを活用する実証実験も行うという。(高嶋健)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
大分のキッチンカー事業者らが協議会設立 「被災時に温かい食を」:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル
Read More
No comments:
Post a Comment